実家の片付けをしていると、家具や衣類、食器など、たくさんの物を整理することになります。
ところが、最後まで残る大きな問題が「家そのものをどうするか」です。
親が住まなくなった家をそのまま残しておく人もいますが、住宅は衣類や家具とは違い、使っていなくても管理が必要になります。
すぐに売却する必要はありませんが、空き家になった時点で一度、今後の使い道を家族で考えておくとよいでしょう。
誰も住まなくなると家の状態を把握しにくくなる
人が住んでいる住宅では、雨漏りや設備の故障などが起きても比較的早く気づくことができます。
しかし空き家になると、数週間、数か月と誰も家に入らないことがあります。
その間に庭木が伸びたり、郵便物がたまったり、建物の一部が傷んだりしても、所有者が気づくまで時間がかかる場合があります。
実家が遠方にある場合は、定期的に様子を見るだけでも負担になるでしょう。
そのため、「とりあえずそのままにしておく」という選択も、実際には管理を続けるという選択になります。
空き家は所有者による適切な管理が求められている
空き家については、単に個人の財産として考えるだけではなく、周囲への影響についても考える必要があります。
建物や敷地の状態が悪化すると、倒壊や外壁材の落下、庭木の越境などによって近隣に影響を与える可能性があるためです。
政府広報オンラインでも、空き家の所有者には適切に管理する責任があることや、空き家を放置しないための考え方が紹介されています。
制度や管理について確認したい場合は、政府広報オンライン「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策」も参考になります。
まず「今後使う人がいるか」を確認する
実家が空き家になったからといって、すぐに処分する必要はありません。
家族の誰かが将来住む予定があるかもしれませんし、別荘や仕事場として利用できることもあります。
そこで最初に確認したいのが、「この家を今後使う人が本当にいるのか」ということです。
ここで気を付けたいのが、「いつか使うかもしれない」という曖昧な状態のまま何年も残してしまうことです。
使う予定があるなら、誰が、いつ頃、どのように利用するのかまで考えてみると判断しやすくなります。
使わないなら売却だけでなく活用も考えられる
自分や家族が住む予定がなくても、住宅として利用できる状態であれば、賃貸に出すという方法があります。
地域によっては自治体などが空き家バンクを設け、空き家を利用したい人との橋渡しをしている場合もあります。
つまり、空き家になったからといって「残すか売るか」の二択とは限りません。
貸す、売る、家族が利用するなど、いくつかの選択肢を比較して考えることができます。国土交通省も空き家の管理や活用に関する情報を公開しています。
片付けと不動産の整理は分けて考える
実家を整理していると、「家の中を全部片付けてから不動産について考えよう」と思うことがあります。
しかし、家財の整理と住宅そのものの方向性は、必ずしも順番に進める必要はありません。
売却する予定なのか、賃貸にする予定なのか、それとも家族が使う予定なのかによって、どこまで片付ける必要があるのかも変わるからです。
先に住宅の方向性を大まかに決めておけば、必要以上に時間をかけて片付けることを避けられる場合もあります。
思い出がある家ほど判断を急がなくてもよい
実家には家族との思い出が残っています。
家具なら処分できても、「この家までなくなるのか」と思うと売却をためらう人もいるでしょう。
その気持ちは、物の整理とは少し違います。
だからこそ、感情だけで急いで結論を出す必要はありません。
ただし、結論を出さないことと、何も考えずに放置することは別です。
すぐには売らないとしても、定期的に管理する人を決めたり、数年後にもう一度判断する時期を決めたりしておけば、空き家の状態を把握しやすくなります。
家を残す場合は「管理できるか」まで考える
不動産は所有しているだけで終わる資産ではありません。
建物や土地の状態を確認し、必要に応じて手入れする必要があります。
そのため、「売りたくない」という気持ちだけではなく、「これから自分たちで管理し続けられるか」も一緒に考えることが大切です。
年に何度か現地へ行けるのか。
庭や建物の状態を確認できるのか。
修繕が必要になったときに対応できるのか。
こうした現実的な部分まで含めて考えると、残すべきか、別の活用方法を探すべきか判断しやすくなります。
まとめ
実家の片付けでは、家の中の物だけでなく、最終的には住宅そのものについても考える必要があります。
家族が使うのか、貸すのか、売却するのか、それとも一定期間残すのか。
どの方法が正しいというわけではありません。
大切なのは、「何となくそのまま」にしないことです。
空き家になったときに一度だけでも今後の方向性を考えておけば、管理の負担や家族間の認識の違いも整理しやすくなります。
物を片付けるのと同じように、家についても「これからどう使うのか」という視点から考えてみるとよいでしょう。
